当院では、専門医による
『緑内障専門外来』を設けております。
緑内障は、日本で中途失明の原因第1位とされる目の病気です。40歳以上の20人に1人(約5%)、70歳以上では10人に1人(約10%)がかかるとされており、決して珍しい病気ではありません。しかし、多くの患者様が自覚症状のないまま進行してしまうのが緑内障の怖いところです。いったん失われた視野は元に戻らないため、早期発見と適切な治療が何よりも重要です。
今回、河合眼科では、名古屋大学眼科緑内障グループでご活躍中の川瀬和秀先生(前・岐阜大学臨床教授)をお迎えし、緑内障専門外来および手術をご担当いただくこととなりました。川瀬先生は、緑内障診療の第一線で活躍されているエキスパートであり、豊富な知識と経験に基づいた質の高い医療を、地域の皆様に提供してくださいます。
当院は開院以来60年、地域に根ざした診療を続けてまいりました。これからも、各分野の専門医を迎え、皆さまの大切な視力を守る医療に一層尽力してまいります。
どうぞ安心してご相談ください。
略歴
1988年 順天堂大学 卒業
1999年 岐阜大学眼科医員
1993年 米国ミシガン大学研究員
1999年 米国アイオワ大学研究員
2002年 岐阜大学眼科助教授
2005年 大垣市民病院眼科医長
2014年 岐阜大学眼科臨床教授
2021年 安間眼科
学位
岐阜大学 医学博士
資格
眼科専門医
眼科指導医
専門
緑内障
角膜
ロービジョン
緑内障専門外来のご案内
緑内障専門の医師が診察・治療・手術をおこなっております。原則、完全予約制となっております。お電話にてご予約ください。
電話:0565-32-5274(河合眼科診療時間内)
■診療時間
| 予約のある方のみ | 第1・第3水曜日 15:00~17:00 |
緑内障は、何らかの原因によって眼圧(眼の内側から外側にかかる圧力)が高くなり、視神経が痛むことで、視野が欠けたり徐々に狭くなったりする目の疾患です。緑内障は、ゆっくりと進行することが多く、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行してから気づくことが多いです。
緑内障は日本の失明原因一位となっており、40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっているといわれています。緑内障は、早期発見・早期改善により進行を遅らせることができます。定期的な眼科検診や、気になる症状があると感じられる場合は早めの受診をお勧めします。
・40歳以上の方
・緑内障の血縁者がいる方
・強い近視の方
・デスクワークなどで長時間を下を向いている方
・目に慢性的な疲れがある方
・睡眠時無呼吸症候群や睡眠不足の方
・喫煙、うつぶせ寝などの生活習慣のある方
緑内障の主な症状は、視野が欠けてくる「視野障害」です。
初期の段階は、視野の中心から離れた部分に欠けが生じる程度で、日常生活において視野障害を自覚することがほとんどありません。
いつもは両目で見ているため、片方の目の視野が欠けてきても、もう一方の目が補ってくれます。また、知っている場所や景色だと、見えていない部分も脳が無意識に補うこともあり、視野の欠けが大きくならないと気づきにくいことがあります。
中期の段階まで症状が進行しますと、視野の欠けている部分が少しずつ増えてきます。視力の低下やボンヤリ感、夜になると見えにくくなるなどの症状があらわれてきます。
後期まで症状が進行しますと、スリガラスの窓から外を見ているような見え方になるまで視力が低下します。歩行時に人や物にぶつかる、転んでしまうといったことが増えて、さらに症状が悪化していきますと失明する恐れもあります。
最も多い緑内障のタイプで、うまく房水が流出されないため眼圧が上がる緑内障です。
また、眼圧が全く上昇しないのに視神経や視野に障害が生じる「正常眼圧緑内障」が、国内に非常に多いことが知られています。遺伝・強近視・加齢・生活習慣などさまざまな原因が考えられています。
眼球内の房水を外へ排出ができなくなり、眼圧が上昇するタイプの緑内障です。激しい眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐おうとなどを伴う場合もあります。
生まれつき隅角に異常があるタイプの緑内障です。
緑内障以外の眼や全身の別の病気、薬物などにより眼圧上昇が生じている緑内障です。
緑内障の診断には、視力検査、眼圧検査、眼底検査、視野検査を行います。
・視力検査:視力を調べます。
・眼圧検査:眼の弾力性(固さ)を調べます。
・眼底検査:目の奥に光を当て、視神経や網膜、血管などの状態を調べます。
・OCT(光干渉断層計)検査:網膜の断層を調べます。
・視野検査:視野に欠けているところがあるか調べます。
いったん障害を受けた神経は元に戻らないため、緑内障を完治させることはできません。したがいまして、緑内障の治療は、これ以上視野が狭くならないように眼圧を下げ、進行を遅くするといった対処療法となります。
緑内障は、発症すると一生つきあっていく必要のある疾患です。
眼圧を下げる効果のある薬を点眼して、眼圧を低下させます。もともと眼圧が高くない正常眼圧緑内障の方でも、眼圧を下げることによって進行を抑えることができます。
瞳の「虹彩」という部分にレーザーを照射して眼圧を下げる方法などがあり、短時間で終了し、手術前後の日常生活の制限もほとんどありません。
緑内障の種類によっては、このレーザー治療が有効的な場合があります。
薬物療法やレーザー治療で、眼圧が下がらなかったり、視野が狭くなっていったりする場合には手術をおこないます。緑内障手術にはいろいろな術式がありますが、症状やそれぞれの人に適した術式を慎重に提案します。
緑内障の場合は、手術を行っても症状が改善することはありません。ほかの治療法と同様に、進行を遅くしたり、現状維持することが目的となります。

